ポヂュギース・ハウンド


ポヂュギース・ハウンドはどんなワンちゃん?
ポヂュギース・ハウンド(Portuguese Hound)は、ポルトガル原産の犬種です。ポヂュギース・ハウンドは、サイズごとに以下の3タイプに分けられています。
[ラージ・ポヂュギース・ハウンド(Large Portuguese Hound)]:ポデンゴ・ポルトゥゲス・グランデとも。
[ミディアム・ポヂュギース・ハウンド(Medium Portuguese Hound)]:ポデンゴ・ポルトゥゲス・メディオとも。
[スモール・ポヂュギース・ハウンド(Small Portuguese Hound)]:ポデンゴ・ポルトゥゲス・ペノケとも。

ポヂュギース・ハウンドの歴史は?
ポヂュギース・ハウンドの先祖犬は、紀元前にフェニキア人がポルトガルに持ち込んだ、チズムというエジプト原産の古代サイトハウンド犬種です。このチズムと土着の猟犬種を掛け合わせて誕生したのがラージ・ポヂュギース・ハウンドであり、ラージを小型化してミディアムが、ミディアムを小型化してスモールが誕生しました。3タイプ全て15世紀には既に存在していました。
[ラージ]
3タイプの中で、最も古くから存在する犬種です。
小規模なパック(集団)でイノシシやシカなどの大型哺乳類を狩るのに使われていました。
現在は、ポルトガル以外ではほとんど飼育されていない希少な犬種となっています。ほとんどは実猟犬かショードッグとして飼われていて、ペットとして飼育されているもの少ないです。
[ミディアム]
ラージを小型化し、小型獣を狩るために作出されました。
主にノウサギを狩ることに使われ、主人と狩りをするとき以外にも、畑のパトロールをしながら自主的にノウサギを狩ることもできました。
現在は、3タイプの中で最も人気があり、ポルトガルをはじめ、ヨーロッパ中で飼育されています。実猟犬やショードッグとしてだけでなく、ペットとしても多く飼育されています。
[スモール]
メディオを小型化し、ノウサギだけでなくネズミも狩ることができ、飼育しやすいように改良された犬種です。
主にノウサギとネズミを狩るのに使われ、畑をパトロールしながらノウサギを駆除し、動きがすばやく捕まえにくいネズミも狩ることができました。
このネズミ駆除の能力をかわれ、15世紀にコロンブスの航海に同行し、伝染病を媒介するネズミを駆除する役割を与えられました。また、船乗りの心を癒す役割もはたしていました。このため、後の航海には船乗り好んで用いられました。
現在は実用犬としてよりもペットやショードッグとして人気のある犬種です。ポルトガルではミディアムと並んで人気がありますが、その他のヨーロッパの国ではスモールの人気が高くなっています。

ポヂュギース・ハウンドの特徴は?
ポヂュギース・ハウンドは、耳は立ち耳で、尾は飾り毛のある垂れ尾です。
被毛は滑らかで短いスムースタイプと、硬くやや長いラフタイプの2種類があります。スムースタイプは、手入れが楽で暑さに強く、尾の飾り毛が少なめです。ラフタイプは、茨などから身を守ることができ、寒さに強いです。毛色はレッド・アンド・ホワイトなどがあります。
3タイプは、サイズ以外にも違いがあります。
[ラージ]
筋肉質で引き締まった体つきで、身体能力が高いです。力強さとスタミナっがあります。脚が長く、スピードがあります。マズル・首・胴・尾も長いです。
性格は主人家族に忠実で愛情深いですが、狩猟本能が旺盛で頑固な一面もあります。
[ミディアム]
引き締まった体つきで細身です。身体能力がかなり高く、グランデよりも走るのが速いうえ、素早く方向転換ができます。ノウサギ狩りに適した犬種です。マズル・首・脚・胴・尾が長いです。
性格は主人家族に忠実で、温厚です。頑固さは抑えられています。
[スモール]
小柄で華奢な体つきをしていて、仔犬のような愛らしさがあります。マズルと首は短めです。
性格は忠実で明るく、人懐こくて温厚です。

ポヂュギース・ハウンドの飼育は?
[ラージ]
しつけは基本的に主人からしか受け付けませんが、人懐こい一面もあるので、ペットとして飼育することも可能です。しかし、生粋の猟犬種であるため運動量が非常に多く、頑固な気質もあることから初心者の飼育は難しいでしょう。
また、他の動物を見ると狩猟欲求が高まるので、他のペットがいる場合は注意が必要です。
かかりやすい病気は股関節形成不全や関節疾患などです。
[ミディアム]
ペットとして飼育することもできますが、猟犬種であるため、他のペット、特にウサギなどの小動物がいる場合は注意が必要です。
運動量は多めです。
かかりやすい病気は関節疾患などです。
[スモール]
他の犬や子供に対しても寛容で友好的です。状況判断力もよく、運動量は少なめです。初心者でも飼育がしやすい犬種といえます。
かかりやすい病気は関節疾患やパテラなどで、足が細いため骨折にも注意が必要です。滑りやすい床の上で過ごさせるのは避けた方がいいでしょう。

ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません