チベタン・テリア

チベタン・テリア(Tibetan Terrier)は、チベット原産の犬種です。チベットでは「ドーキ・アプソ(Dhokhi Apso)」と呼ばれています。

犬種名に「テリア」とつきますが、テリア犬種ではありません。

約2000年前からチベットの仏教寺院で飼育されていた犬種ですが、起源はさらに古く、紀元以前から存在していたといわれています。

遊牧民にも飼育されており、家畜の羊やヤクを移動させる牧畜犬として使われていました。被毛が長い割には身軽に動き、時にはヤクの背中に上って遠方を見渡すこともありました。牧畜犬として働くほかに、家の見張りをする番犬、狩猟を行う猟犬としても使われました。さらに、夏季には被毛を刈ってヤクの毛と混ぜ、衣服の原料としても使われます。

チベタン・テリアは「幸運をもたらす犬」「神聖な犬」と考えられ、人々から大切にされていました。また、他者にチベタン・テリアを寄贈することは幸せを分け与えることを意味しているため、相手に感謝や幸福を願う気持ちを表す特別な贈り物とされていました。

1920年、インドのグリーグ博士という内科医が、チベット人の妻を治療したお礼にチベタン・テリアを受け取ります。グリーグ博士はこの犬種に魅せられ、同じ犬種を手に入れて繁殖を始めます。

そしてグリーグ博士は母国イギリスで犬舎を設立します。1937年にはイギリスのドッグショーに参加することになりました。

現在は、チベット外でもペットやショードッグとして飼育されています。日本でも数は多くありませんがブリーディングが行われています。

チベタン・テリアは、近縁のラサ・アプソやチベタン・スパニエルと比べると体高が高くなっています。足は平らで丸く大きくなっていて、かんじきのように足にかかる力を分散し、歩きにくい地形や荒れた地面でも歩きやすくなっています。耳は垂れ耳で、尾は巻き尾です。耳と尾には飾り毛があります。

被毛は長く、直毛またはややウエーブがかったシャギーコート(むく毛)が全身を覆っています。毛色はブラック、ホワイト、ゴールド、ブルー、スチールなどの単色や混色があります。

性格は温和で陽気で、好奇心が強いです。警戒心も強くやや頑固な面もあります。状況判断力は高いですが、しつけはやや入りにくい犬種です。

チベタン・テリアは、飼い主を喜ばせることが大好きです。一緒に楽しく過ごせる、魅力的な伴侶犬となるでしょう。

走り回ったり散策することが大好きなチベタン・テリアには、毎日適度な運動が必要です。といっても、ゲームをして遊んだり、少々長めの散歩をする程度で十分です。野原などで散策したり、家の庭などで飼い主と一緒にゲームをしたりして過ごすことを好みます。

温暖な地域や少々涼しい気候の地域であれば屋外で過ごさせることもできますが、できれば室内で過ごさせるか、室内と屋外の両方を行ったり来たりできる環境を作ってあげるのが理想的です。

被毛には週に1~2回はブラッシングかコーミングをしましょう。

かかりやすい病気は汎進行性網膜萎縮症、白内障、緑内障、糖尿病、前庭疾患、股関節形成不全などです。

殺処分ゼロを考えて!!