スパニッシュ・マスティフ

スパニッシュ・マスティフ(Spanish Mastiff)は、スペイン原産の護蓄用犬種です。マドリッド周辺の平原であるエストレマデューラとカスティージャ・ラ・マンチャ地域で発展したので、「エストレマデューラ(Extremadura)」または「ラ・マンチャ(La Mancha)」という別称で呼ばれた。「マスティン・エスパニョール(Mastin Espanol)」、「マスティン・デ・ラ・マンテャ(Mastin de la Manche)」と呼ばれることもあります。

スパニッシュ・マスティフは紀元前2000年頃に、フェニキア人がイベリア半島にもたらしたモロサスタイプの古代犬種から発達したと考えられています。この古代犬種を護蓄用の犬種として改良し、土着の犬種と交配させることで誕生したといわれています。

主にウシやヒツジなどの家畜を狼や強奪者から守る仕事をしてきました。また、農場や人、領地を守る番犬としても活躍しています。

第二次世界大戦の戦禍により危機的な状況に陥りましたが、愛好家の手によって保護されていたために、絶滅せずに生き残ることができました。

戦後は優しい性格をより引き出すための改良が行われ、ペットやショードッグとしても飼われるようになります。FCI(国際畜犬連盟)に公認されてからは、スペイン国外にも輸出されるようになりました。

現在、スパニッシュ・マスティフはスペインの国犬として指定され、スペイン国内では人気のある犬種です。近代化が進む中でも、定住、遊牧に関わらず数多くの家畜の群れに同行し、伝統的な作業を受け継いでいます。しかし、サイズが大きいため敬遠されがちで、スペイン以外では見かけることの少ない犬種です。日本でも数は少ないですが飼育されています。

スパニッシュ・マスティフは大きくどっしりとした筋肉質の体格で、デューラップと呼ばれる(のど下のたるみ)や皮膚のたるみが大きいのが特徴です。頭部も大きく幅広で、マズルは短めです。アゴの力は強靭です。耳は垂れ耳、尾はふさふさした垂れ尾です。

被毛はショートコートで、毛色はフォーンやクリームの単色やブリンドル、まれにホワイトのパッチやブラックマスクがあるものもいます。

心身ともに成犬と呼べるまで4、5年といったところですが、骨肉の成長が早く、生後6~8ヶ月で体重が45kgに達するほどです。

性格は素朴で、愛情深く、主人家族に甘えるのが大好きです。普段は温厚で優しいですが、害獣や見知らぬ人を前にすると極めて決然とした態度を取り、さらに家族や家畜に危機が迫った時には勇敢に立ち向かいます。

スパニッシュ・マスティフは基本的には、とても主人思いの従順で温厚な犬です。ふだんはゆったりと歩くのんびり屋です。性格が良く、運動量もあまり多く必要としないため、比較的飼育しやすい犬種ですが、力が非常に強いので、その力を制御できるような飼育者が必要です。そのため、誰でも飼える犬種ではありません。

食事量が多いため食費がかかります。太らせ過ぎには要注意です。

かかりやすい病気は、まず大型犬種ではありがちな股関節形成不全や関節疾患です。太らせ過ぎや無理な運動などにより脚・腰に負担がかかり、悪化する場合があります。

また肥満は心臓疾患につながります。無理な運動は胃捻転にもつながってしまいます。

さらに、原産国に比べ多湿な日本では、夏の熱中症にも充分に注意が必要です。

本犬種の3大死亡要因ともいえる心臓疾患、胃捻転、熱中症は、飼育上の注意で防ぐことができます。

殺処分ゼロを考えて!!