スコティッシュ・テリア

スコティッシュ・テリア(Scottish Terrier)は、イギリスのスコットランド原産のテリア犬種です。「スコッティ」という愛称で呼ばれることもあり、「アバディーン・テリア」という別名もあります。

スコットランド原産の5種類のテリア犬種(他は「スカイ・テリア」、「ケアーン・テリア」、「ダンディ・ディンモント・テリア」、「ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア」)のひとつです。

スコットランド北部の山岳地帯であるハイランドを原産とするテリアはスコティッシュ・テリア以外にも数種類あり、18世紀以前はすべて「スカイ・テリア」と呼ばれていました。ひと括りにされていたことにより、後に細分化された個々の犬種の歴史が解明されにくく、現在も見解が統一されていません。

少なくとも、スコティッシュ・テリアがウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアと非常に近い犬種であることは間違いないとされています。両種ともにパースのブラックマウント地方とラノッホ・ムーアがその起源とされています。

スコティッシュ・テリアは、地面を掘って獲物の巣穴に潜り込んで追いかける狩りを得意とし、スコットランド高原のシンボルともいえる勇敢な狩猟犬でした。

足が短く、硬い被毛に覆われたテリア種のうち、現在スコティッシュ・テリアとして知られている犬種は、当時アバディーン地方に熱心な愛好家が多くいたことから、アバディーン・テリアと呼ばれていました。

現在のスコティッシュ・テリアの血統はスプリンターIIという名前の1頭のメス犬と2頭のオス犬から始まったと言われています。

1880年頃、初めてスコティッシュ・テリアについての犬種スタンダードが発表されることになります。このスタンダードでは本犬種の被毛は「グレイ、斑あるいはブリンドル」とされたため、1900年代までブラックは流行せず人気の色とはなりませんでした。

アメリカに初めてスコティッシュ・テリアが持ち込まれたのは1883年のことです。その後、第二次世界大戦の頃まで、この犬の人気は徐々に高まっていましたが、戦後、フランクリン・ルーズベルト大統領の愛犬がスコティッシュ・テリアだったこともあり、人気が急上昇することになります。ルーズベルト大統領の愛犬ファラは、アメリカでもっとも有名なスコティッシュ・テリアといえます。ファラは生涯、ずっと主人と共に暮らし、亡くなってしまった現在も、ルーズベルト大統領の墓のそばに埋葬され、主人との深い絆で結ばれています。

現在も、スコティッシュ・テリアは、世界中の人に愛され、安定した人気を保っています。

スコティッシュ・テリアは短足でコンパクトな体格で、かなり骨太の頑丈な犬種です。耳は尖った立ち耳で、尾は立尾です。害獣やネズミを追いかけ、地面の獲物の巣穴に潜りこんだときに、飼育者が尾をつかんで引っ張り出すことができるようにするため、尾は丈夫になるように改良されました。

小獣猟犬として小柄ながらもパワフルで、穴を掘ったり潜ったりすることが得意です。

被毛はワイヤー・コートで、密集した下毛と、非常に硬い5センチほどの上毛とのニ層構造になっています。独特の眉と顎ひげが、その表情に鋭くシャープな印象を与えています。毛色はブラックや暗色が多く、ウィートン、ブリンドルなどの毛色も見られます。

タフで少々荒っぽい性格から、「ダイハード(最後まで抵抗する頑固者)」という愛称で親しまれているスコティッシュ・テリアは、活発な犬種です。大胆不敵で元気がよく、他の犬や動物に攻撃的になりやすいところがあります。幼犬の頃からしっかりとしたしつけをしないと問題犬となることもあります。

家人にはとても忠実で愛情深く接します。小柄な割に吠え声は太いですが、必要なときにしか吠えない傾向にあります。

テリア種に共通していることですが、地面を掘ったりする傾向があります。

毎日運動をさせてあげることが大切です。できれば普通の散歩のほか、動きのある遊びを取り入れたり、足場がよく、リードをはずしてもよい場所で、思いっきり走らせたりするとよいでしょう。

温暖な気候の地域であれば屋外で飼うこともできますが、家の中で過ごさせる方がよいでしょう。家の中と外を自由に行ったり来たりできるようにしてあげるのが理想的です。

被毛はワイヤー・コートなので、1週間に2~3回はコーミングをし、3カ月に1度は形を整えてあげます。愛玩犬としてはカットで十分ですが、ドッグショーに参加させる場合はストリッピング(手で毛を抜くこと)が必要です。

殺処分ゼロを考えて!!