アイリッシュ・テリア

2019-06-22

アイリッシュ・テリアはどんなワンちゃん?

アイリッシュ・テリア(Irish Terrier)は、もっともテリアらしいテリアと呼ばれ、優雅なスタイルとテリア本来の毅然とした性質を継承しています。

アイリッシュ・テリアの歴史は?

アイリッシュ・テリアの起源は定かではありませんが、テリア犬種の中でも最も古い犬種の一つであるとされています。アイルランド南部のコーク州が原産地で、古くから番犬、小型害獣の駆除犬として飼育されていました。

どのようにしてこのテリアが発生したかを明らかにする歴史的な記録は残されていませんが、古い時代のブラック・アンド・タン・テリアと、小麦色(ウィートン)の被毛を持ったソリッド・ウィートンカラード・テリアから派生しているのではないかと考えられています。

この二種類のテリアは、古くからキツネやカワウソを捕獲したり、アナグマ、キツネ、イタチなどの害獣から家禽や家畜を守るための犬としてアイルランドの人々に親しまれていました。

1800年代には現在の形に固定されていたと言われています。初期のアイリッシュ・テリアには、ブラック・アンド・タンやグレー・アンド・ブリンドルといった色を含めてさまざまな毛色が見られましたが、19世紀の終わり頃には単色のレッドカラーが一般的になりました。

1875年グラスゴーでのドッグショー以降、「キルニー」と「エリン」と呼ばれるチャンピオン犬が注目を集めました。

すぐに人気を集め、1880年代にはイギリスで4番目に人気の高い犬種になります。「キルニー」と「エリン」は優秀な子孫を輩出する事となり、「アイリッシュ・テリアの父と母」として歴史上に名を留めています。

この犬種の最初のブリード・クラブは1879年3月31日ダブリンに設立され、アイリッシュ・テリアはアイルランド原産犬種として19世紀後期にイングリッシュ・ケネル・クラブ(ザ・ケネル・クラブ)に公認された最初のテリア・グループ犬種です。

その当時、テリアといえば断耳するのが最先端だとされていましたが、1889年、イギリスのアイリッシュ・テリア・クラブがこの犬種の断耳を禁止します。この決定は、すべての犬たちの将来に影響を与えることになる重要なものでした。

というのも、このクラブの決定がきっかけとなって犬の断耳について討論がなされるようになり、最終的にイギリスでは、すべての犬種において断耳が禁止されることになったからです。

アイリッシュ・テリアはまた、すぐにアメリカでも非常に高い人気を獲得します。1920年代後半には、すべての犬種のなかで人気ランキング13位(アメリカン・ケンネル・クラブによって公認された79犬種中)にまで登りつめ、テリア種の他の犬種とは著しく異なる特有な輪郭と構造によって、ドッグショーの舞台では圧倒的な人気を集めました。

その後、第一次世界大戦では、情報伝達犬や監視犬としてひどい騒音や塹壕戦の混乱の中で活躍し、その勇敢な気質をおおいに発揮しました。

アメリカに入ってきた当初、このように順調に人気を集めていったアイリッシュ・テリアは、そのままもっとも人気のあるテリアとして君臨し続けると思われていましたが、実際にはその人気は次第に衰えていきました。 

現在、アイリッシュ・テリアはテリアのなかでも珍しい犬種とされており、ショーの舞台でも家庭でもほとんど見かけることのない犬種となっています。

アイリッシュ・テリアの特徴は?

アイリッシュ・テリアは、適度な長さの胴体を持ち、優雅で、全体的にキリっとした細身の輪郭が特徴的な犬種です。全身が赤茶色一色であるのが特徴です。まれに胸に白いスポットが見られる場合がある。一般的には垂れ耳ですが、耳が立つものもいます。テリアの中では、比較的大型です。

子犬は、全身が非常に細かい絹糸状の被毛に被われていますが、ショータイプの個体の場合、プリッキングと呼ばれる、全身の毛を抜いて間引く作業を施すことにより、太くゴワゴワした被毛に変化します。密生していますが、それほど長くはないので、美しい体の輪郭が一目でわかるようになっています。

伝統的には、尾を全体の4分の1断尾しますが、最近では断尾すること自体が法律上禁止される国もあり、断尾されていない個体も増えてきています。

非常に足が早く、持久力、機敏性、さらには力強さといった、ほとんどあらゆる運動能力に秀でています。またジャンプ力も優れており、泳ぎも得意です。

訓練性能も非常に高く、さまざまな種類の仕事をこなすことができます。セット、スプリング、リトリーブなどもこなすため、猟犬としても活躍できます。

優しい躾をしてね

しかし頑固なところがあり、自分で考えて行動しようとする傾向が強いため、命令通りにコントロールするためには、根気強く訓練する必要があります。

また、負の記憶を強く持つ傾向があり、怖い思いをしたことや主人に叱られたことをよく覚えているので、そうした体験を幼い時期に多く経験すると、神経質な個体になりやすいです。

性格は「命知らず」と呼ばれるほど勇敢ですが、主人には忠実です。家族には深くこまやかな愛情を向け、家庭犬としての資質も高いです。家族であれば人間の子供の面倒もよく見ます。

アイリッシュ・テリアは、生まれながらの護衛犬と猟犬の二つの気質を備えた優れた犬種を物語っています。

遊びが大好きで、常に主人が遊んでくれるのを待っています。生粋のテリアであるため、初めて飼う犬種としては、向いていませんが、テリアの性質を理解している者にとっては、かけがいのないパートナーとなります。

運動量が多い犬種です。何かを追いかけて走り回ったり、冒険をしたりすることが大好きなので、毎日、足場のよい安全な場所で、肉体的にも精神的にも刺激になる運動をさせることが必要です。

お手入れが大変

毛の伸びるのは比較的早いので、1週間に1~2回はコーミングをし、年に2~4回はトリミングをしてあげましょう。家庭犬として飼う場合は、はさみやバリカンでむだ毛を刈るだけで十分ですが、ショーに参加させるのであれば、手で丁寧にむだ毛を取ってあげてください。

成犬になった時に姿形のよい耳にするためには、小さい頃から耳の手入れを施す必要があります。

寿命は12~14歳です。体は丈夫で、先天性の疾患はほとんどみられません。テリア種に良くみられるように、オスとメスの性質がかなり異なります。

オスは非常にけんか好きで、オス犬の多頭飼いの場合、トラブルにならないように常に注意を要します。小動物や他の犬に対する攻撃性があります。また、動くものに非常に敏感に反応し、追いかけようとします。都会生活では他の犬や小動物に対して攻撃的な行動に出る事があるので、しっかりとしたハンドリングが必要です。

アイリッシュ・テリアの個体評価は、外観と特に『気質』に重点を置いて行われます。

猟犬であり、護衛犬であった当犬の歴史を反映した「活気」と「闘志」が備わっていなければなりません。欧米で開催される野外の狩猟競技会でこの犬種は、常に高成績をあげています。

殺処分ゼロを考えて!!